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借地権を売却するときに知っておきたいこと

底地・借地権価格の考え方 <コーヒーカップ理論>

底地と借地権の価格相場を説明する際に、借地権をコーヒーカップのカップ部分、底地をソーサーに例えてお話しすることがあります。

例えば一客10,000円するコーヒーカップであっても、ソーサーだけで買う人はほとんど現れないでしょう。セットになって初めて10,000円の価値になるのです。

 

これと同様に、1億円の土地(仮に底地40%、借地権60%とします。)であっても借地権単独で売却すると4,000万円程度、底地単独で売却すると1,000万程度になってしまい、それぞれ単独で売却した価格の合計は、通常の土地価格の半分程度にしかなりません。土地を借地権と底地に分離したことにより、市場性が減退し、経済価値が半分に減少してしまうのです。

借地権の売却時に知っておきたいこと

借地権価格の相場ってよくわからないですよね。

相続などで手放そうとしている借地権の適切な価格はどれほどでしょうか?

不動産鑑定における借地権価格には。正常価格と限定価格という異なる価格概念があります。

  正常価格…第三者への売却を前提とした一般市場における価格

   限定価格…借地権者と地主間の限定された市場で成立する価格

 

 例えば、1億円の土地に設定された借地権を第三者に売却する場合(仮に底地40%、借地権60%とする場合)、借地権価格は概ね4,000万円程度です。底地価格もまた単独で第三者へ売りに出し

た場合、1,000円程度の価値しかつきません。この第三者への売却を前提とした一般市場における価格正常価格といいます。

借地権と底地の正常価格の合計は4,000万円+1,000万円=5,000万円で、土地価格1億円に遠く届かず、5,000万円の価値が失われている状況にあります。

土地価格1億円 > 借地権の正常価格4,000万円+底地の正常価格1,000万円

 

しかし、地主が借地権を買いとる場合は、上記借地権価格4,000万円と水準が異なってきます。地主が借地権を買いとることにより、通常の土地の状態に戻りますので、消失していた5,000万円が復活することになります。この復活した5,000万円のうち借地権所有者に帰属する部分は借地権の正常価格に加算されべきものと考えられます。

したがって、5,000万円の増分価値うち仮に2,000万円分が借地権所有者に帰属するとすれば、上記借地権の正常価格4,000万円に2,000万円を加算した6,000万円が借地権の価格ということになります。このように借地権者と地主間の限定された市場で成立する価格限定価格といいます。

 

この例の場合、借地権の正常価格は4,000万円、限定価格は6,000万円となります。このように正常価格より限定価格が高く算定されるのが一般的です。

 

つまり、理論的には、借地権は地主さんに買い取ってもらうのが一番価値が高くなるのです。